落語の感想ばっかり書いてるので
今回の柳家喬太郎独演会も、
今月もう一回行く落語会を観たあとに
まとめて書こうかなと思ったけど、
今回はあまりにもすごすぎて、
衝撃的で、感動しちゃって、
いまだに余韻がすごいです。
終演後、しばらく放心状態になってしまい
立ち上がれなかった。
「心眼」三遊亭円朝 作
マクラも振らずにトリで演ったこの噺が
本当に本当に本当に見事だった。
吸い込まれるように聴き入ってしまった。
盲人、メクラの男の話です。
お薬師様に願掛けに行った甲斐あり目が開き、
世界が見えるようになった梅喜という男。
今まで梅喜を支えてきた嫁のお竹が
心根は優しいが実は相当の醜女だった、
という事実を聞かされ
「あんなバケモノと所帯を持てるか!
メクラにつけ込んで近寄ってきたんだ!」
と献身的に支えてきたお竹を裏切り、
美しい芸者と一緒になろうとする。
それを聞いていたお竹、
梅喜の首に手をかけ、締め上げ……
「こんなことならお前さんの目、
開かなきゃよかった…」
と、お竹さん。
で、結局夢オチだったんだけど
夢から覚めてお竹に
「怖かった、怖かった……」
と咽び泣く梅喜の姿に
人間の弱さが見えたのでした。
自分に巣食う悪魔をみた男。
わたしまで泣きそうになった。
誰しもが根底に持ちうる
人間のドロドロ渦巻く醜い部分や、狂気、
コンプレックス、弱さ、危うさなんかが、
全部剥き出しのまま真っ向からやってきて
聴いていて苦しくなった。
そして目を奪う喬太郎師匠の熱演。
キョンキョンが一瞬すごく嫌な人間に
見えてしまうくらい、迫真の演技だった。
こんな芸人がいるのかと、感動した。
わたしは昭和の名人も見たことないし、
上を見たらもっとすごい噺家が
存在するんだろうけれど、少なくとも
こんなに心揺さぶられる話芸を
魅せてくれる噺家を他に知らない。
喬太郎師と同じ時代に生きてて
それを生で観られて本当に幸運とおもう。
心眼。
メクラとか女乞食とかいうワードが
出てくる噺だから、
テレビで放送できないけど
これは後世に残したい。
人を惹きつける落語だった。
一席目のマクラで、嬉々として
「横浜を牛耳る闇の組織、崎陽軒!」
とか言ってた人とは同じ人間とは思えない
芸の幅の広さに、感動しました。
笑かせない落語もすごい。
喬太郎さん、かっこよかった。
シビれました。
いやはやアッパレ!
独演会の帰りしな、
母親にジェラートの持ち帰りを買ってもらった。
自分で払おうとしたら無理矢理拒絶された。
20年ぶりくらいに買ってもらった
アイスは涙が出るほど美味しかった。
オカンありがとう。
マザコンだな、わたしは。
長生きしてください。

