2017/06/28

抜けガヴァドン。


6月下席の末廣亭、行ってきた。

昼のトリが柳家喬太郎師匠、

夜は人間国宝、柳家小三治師匠、

ニッポンのYANAGIST待望の

顔付けがこちら( 昼席のみ )。


625日(日)新宿末廣亭 

柳家小太郎「鈴ヶ森」

ストレート松浦  ジャグリング

林家あんこ 「つる」

古今亭志ん輔 「夕立勘五郎」

柳家小菊 都々逸

春風亭柳朝 「紙入れ」

金原亭馬遊 「無精床」

すず風にゃん子金魚 漫才

三遊亭圓丈 「万歩計と噺家」

金原亭伯楽 「宮戸川」

アサダ二世   奇術

柳家さん喬 「そば清」

お仲入り

柳家さん助 「胴切り」

青空一風千風 漫才

林家種平 「ぼやき酒屋」

柳家小ゑん 「下町せんべい」

江戸家小猫 「動物ものまね」

柳家喬太郎 「抜けガヴァドン」


一之輔さんが休演なのが残念だったけど、

それでも、さん喬師、

志ん輔師、圓丈師、小ゑん師、

正月興行か!っつーくらい豪華。


仲入り後の種平さんからトリへの

新作落語の流れが素晴らしく、

桟敷後ろの廊下まで立ち見、

満員御礼札止めの会場が

ドッカンドッカン沸くに沸く。


種平さんお初だったけど

ぼやき酒屋、最高だったわ。

あと、さん喬師匠の「そば清」!

さん喬・喬太郎親子共演とか涙が出る。

タイプは違うおふたりだけど

芸風がどことなく似ていて

こうやって受け継がれていくんだな

と感動しました。



トリの喬太郎さんは今日もひとり

素敵にお狂いになられてました。

「抜け雀」かな?と思いきや

「裏の空き地に土管が」とか

言い出した時点でおやおや?と思ったら

「抜けガヴァドン」でした。

念願のウルトラ落語初体験!



ガヴァドンA、かわいい~~♫

グーグーとずっと寝てる怪獣なんだって。


土管に描かれたガヴァドンA。

宇宙線を浴びると抜け出して

実体化するという。

そこへガヴァドンAを描いた絵師の

父ちゃんがやってきては

ガヴァドンBに改造してしまい、

土管からガヴァドンBが抜け出て

小田原の街を破壊す!

そこへ慌てて追加で描いた

ウルトラマンが絵から抜け出て


「倅!なぜカラータイマーを赤で描いた?!」

「し、しまったーー!!」


無茶苦茶でわけがわからないけど

ゲラゲラ笑いました。

終わってからガヴァドンAB鬼検索。

ぶちゃいくなガヴァドンB。



昼席からお腹いっぱいだったけど、

一緒に来た父と、

小三治を見ずして帰れるか、と合意

結局夜も最後まで籠城。

正楽さんと歌之介さんも観れた。

9時間末広耐久チャレンジは疲れたけど

充実の日曜日でした。

「抜けガヴァドン」が

もう一度ちゃんと観たくなって

帰ってから勢いでポチしてもうた。

届くのが楽しみです。


***


そんでもって今年いちばん

気分が高揚したニュースが。

8月15日放送の

「落語・ザ・ムービー」

ついに喬太郎さん初登場。

しかも「死神」演るそうです。


二本立ての番組なんだけど、

もうひとりが入船亭扇辰さんってのも

ニクいじゃあないの。

鯉昇さんが「ちりとてちん」を

演ったときも嬉しかったけど、

一報を聞いて鳥肌が立ちました。

こうなりゃビール片手に

自宅でひとり圓朝祭だー!


夏が待ち遠しい。


2017/06/16

私の青空。

先日の追記。

寄席井心亭の手ぬぐいが
あまりにも可愛かったのでつい購入。
左上から、
柳家喬太郎さん、林家たい平さん、
立川志らくさん、柳家花緑さん。

みなさん絵がお上手。
他の噺家さんも聞いてみたくなりました。
特に志らくさん。
立川流は定席の寄席で聞けないので。

立川と言えば、談春さんのインタビュー
 (もしくは「赤めだか」?) を
読んだらしいウチの先輩曰く、
「いまの若手はヌルい!
昔はみんな築地に飛ばされて
バイトさせられてたんでしょ!
だそう。
いや、それも違うような…。


我が家はとうとう父親まで
喬太郎師にハマりだし、
年老いた夫婦ふたりで昼から
YouTubeみてゲラゲラ笑っているらしい。

そしてたまに父は昔を思い出し、
「志ん朝はよかったなあ〜」
なんてつぶやいているそうです。

特に金持ちでもない実家だけど
ここんちに生まれてよかった。
笑うことが好きな両親でうれしい。


さあ、夏がまた来るよ。
にゅーおいらんずでしょ、
アロハマンダラーズでしょ。うへへ。
謝楽祭に芸協らくごまつり!

その前に末廣亭の6月下席が
豪華ラインナップすぎてうおー!
みんな一軍じゃないの!
根性でならぶ。

自分でもこんなどっぷりハマるとは。
落語のことならなんぼでも喋れるわ!

2017/06/15

寄席井心亭 水無月。


初めての井心亭寄席へ。
三鷹にある古い日本家屋での落語会。
マイクなしの生声!高座が近い!


『初天神』柳家喬太郎
『崇徳院』柳家小せん 
ーお仲入りー
一龍斎貞寿真打ち披露  口上
『諜報員メアリー』柳家喬太郎
『二度目の清書』一龍斎貞寿


久しぶりにキョンキョンの新作聴けて満足。
「諜報員メアリー」しょーもなくて
大好きです。

そしてこの度、真打ちに昇進された
講釈師の一龍斎貞寿さん。
おめでとうございます!
師匠方による口上がとっても愛溢れていて、
貞寿さん、涙をこらえているのがわかった。
聞いているわたしまで泣きそうに。

トシなのか、最近涙腺が
ユルッユルでいけません。
インドネシアからの帰りの飛行機で
「この世界の片隅に」を見て
漫画でオチ知ってるのにボロ泣きして
隣に座ってた異人さんをギョッとさせてしまった。


てなことで口上後はお客さんも
みんなで三本締め。
いい会に来れてよかったです。
わたしまですごく幸せだ。

トリは貞寿さん。
忠臣蔵から一部エピソード抜粋。
真打ちになったらやろうと
心に決めていたそうです。
本日がネタおろし。

このひとの講談はテンポがよくて
迫真の語り口で聞き入ってしまう。
これからが楽しみです!

2017/06/12

旅の終わり。

長い長い旅が終わりました。
さあ〜帰るでー!


さよならインドネシア。
旅人から会社員に戻ります。

2017/06/03

新宿末広亭余一会!

531日、会社を早退して

新宿末広亭余一会へ。

橘屋文蔵、柳家喬太郎、二人会。


初めて観るキョンキョン in 末広亭。

落語に入るタイミングを掴めず、

マクラがいつもより長くて(いつも長いけど)、

その分たっぷりおしゃべり。


仁義なき広島弁で、映画

「スプリング、ハズ、カム」再現が

涙が出るほど可笑しかった。

「リコ!タマァとったるけぇのお!」

て。


もっと笑ったのは

日活ロマンポルノに出ていた

愛染恭子の背中を流す三助役の

談志師匠」の再現。

上手すぎて、元ネタ観たことないのに

ひっくり返るほど笑かしていただいた。

まんま家元。

この人ホント化けるなあ。


「おれがこんな芸人なのみんな知ってるでしょ!」

と尺を大幅におして

ヤケクソ気味に入った落語「首ったけ」。

トリで演るはずの演目だったのに

プログラム無視で最初にぶっこむキョンさま。

予想を斜め上を行くスリリングさがたまらない。

「首ったけ」

最後、さんざんな目に遭った

花魁のサゲがかわいかった。


トリは「名人長二 仏壇叩き」。

恵比寿で拝聴したときより

パワーアップしておりました。

話世界に一度入ると

だんだん喬太郎師匠に

見えなくなっていく不思議。

マクラでたっぷり笑わせて

落語でじっくり聴かせる。

なんとも魅力的な噺家さんです。



その会で配られていたチラシ。

「池袋奇譚」これはこれは!!

デザインが江戸川乱歩風!!!

おもしろくないわけがない!!!

ゾクゾクしたい!!!

はてさて、チケット取れるかしら



落語っておもしろいなあ。

お芝居、映画、小説、いろいろあるけど

シンプルかつ最強の娯楽メディアとおもう。

上手い噺家は映像が見える。

サゲがきれいだと気持ちもスッキリする。

うーん、落語カタルシス。



さ、ブログも更新したし、

今からちょっくら

インドネシアへ行ってきます。

イタリアへ行く予定だったけど

紆余曲折を経てジャカルタへ。

イタリア行きてぇ!

いざ!

2017/05/29

ちょっちゅね〜!

飛行機のマイルを使って沖縄の離島、

座間味島へ行ってきました。

会社の先輩も急遽参戦。


座間味はほんものの楽園だった

これぞ世界が恋する慶良間ブルー!


泊まった宿が、またステキで、

沖縄の伝統的な古民家。

なんぼほどリアルちゅらさん。

フクギの木の門をくぐった先には

シーサーがいて、縁側があって、

ブーゲンビリアが咲き乱れていた。


ここの宿のお父さんが本当に

気さくで面倒見のいい方で、

ウミガメの産卵場所に連れていってくれたり

水平線に沈む夕陽を見せてくれたり、

ホタルや星を見せてくれたり、

普通に旅行していたら絶対行けない場所に

たくさん連れて行ってくれました。

なにこの小学生の夏休み感。


この宿は、造りも匂いも、

完全に「親戚のうちの田舎」。

初めて来たのに懐かしい場所。


我が家は田舎がないので、

子どものころは夏休みに

「おばあちゃんちの田舎に帰る」

という経験が皆無だった。

ずっと羨ましかったから

大人になってようやく夢叶う。

みんなこんな感じで過ごしていたのか。

最高じゃないか。

朝からウミガメと泳いで、

熱帯魚の大群をくぐって、

ビーチでカレーを食べて

泳ぎ疲れて、宿に戻って、

風が通る気持ちのいい畳の部屋で

夕方まで昼寝するさんじゅうにさい。

いいのかこれで。

いいのだこれで。


帰りしな、船が出航するときに

宿のお父さんが港まで見送りに来てくれた。

見えなくなるまでずっと

手を振ってくれて

ちょっと泣いてしまった。

船の別れほど寂しいものはない。


島がどんどん小さくなっていく。


やっぱり海って生命の原点なんだな。

なんぼでも海を見ながらボーッとできる。

海も、空も、風も、雲も、夕陽も、人も、

涙が出るくらい、純粋だった。

仕事で忙殺される生活から

浄化されるような旅だった。


羽田に向かう飛行機の中で、

夢から覚めて、スーッと現実に戻る感覚が

旅の終わりを告げるようで

たまらなくさみしい。



2017/05/20

桐の花咲く五月。

最近の出来事を赴くままに。


◉京都って銘打ってるけど滋賀。

滋賀まで地獄の出張でした。

今まで社会人やってきた中でも

なかなかしんどい現場でした。

通訳として召集されたはずなのに

わかっちゃいるけど設営もお手伝い。

自分のような職業を「IT土方」と

揶揄することがあるけれど

今回はリアル土方だったよ。

途中でホトホト疲れ果てて

いっそ琵琶湖にダイブしたろかい!

と思うくらいしんどかった。

とにかく撮影が無事終わってよかった

やーね、愚痴っちゃったわ。



◉寄席に突撃。

出張の反動で帰京後すぐに末広亭へ。

勇気を持って、生まれて初めて

紙切りのお題をリクエスト。

緊張で心臓が口から飛び出そうになる中、

清山下かってくらい吃りながら

ネ、ネネネネネネネコ!!!!

って叫んだ。ネコて。

気の利いたお題が見つからず、

咄嗟に出て来たのが

縄文人レベルのお題。

にもかかわらず正楽師匠は

見事なハサミさばきで

ネコの親子を切ってくださいました。

か、かわええ。うれしい。ほっこり。

また切ってもらいたいなあ。


その夜も突発的に立川まで落語会はしご。

タテカワちゃいまっせ、立川市です。

最近、新聞の見出しに

「米朝関係」とか書いてあると、

え?上方?とか思っちゃう。

もはやわたしは完全に毒されてる。


映画館で演る落語会、

座席がフワフワで楽チン。

ケツが死亡する浅草演芸ホールの座席も

このくらい尻に優しかったらなあ。



◉今年もユーロビジョン!

ユーロビジョンウォッチャーとしても

今年はとてもいい大会でした。

グランドファイナルで泣いてもたよ。

60数年間の歴史の中で

ポルトガルが初優勝!おめでとう!


各国英語で歌う中、自国の言葉で

三拍子でメランコリックでメロウなバラード

"Amar Pelos Dois"を歌い上げた

サルバドール・ソブラル。

作詞作曲は彼のお姉さんだそう。

ポルトガル語ってだけで

ちょっとブラジルのかほりがする。


優勝しても驕らず謙虚で、

ハナから賞を取りにいくことなんて

眼中にない感じがした。

ポアンカレ予想を解いた

ペレルマン(ロシアの仙人)のような(?)

俗っぽくない感じの青年。

https://youtu.be/Qotooj7ODCM


そこいくと対極にいる

優勝候補だったイタリアは

おかしな東洋趣味の音楽を

ひっさげてゴリラと踊り狂い、

これはこれでユーロビジョンぽくて

わたしはだいすきです。

なかなかのスルメ曲で、

キャッチーなポップス、悪くない。

歌詞にナマステ!て。


今年の開催国が、情勢不安定な

ウクライナだったけど

十年前に準優勝した

ヴェルカ・セルデューチカで

未だに盛り上がれるのが

ユーロビジョンのいいところ。

「あいん、つゔぁい、どらい!」


フィンランド代表は北欧メタルかと思いきや、

エンヤっぽい感じだった。

ハードコアかヒーリングのフィンランド。

極端やねん。プラスかマイナスか、みたいな。


それと熱唱系はもういいんだよなあ。

昔のようにもっと個性ある

ミュージシャンをおくれ。


コレ毎年言ってるけど

なんでこんなおもしろいモンを

日本で放送しないのか。

昨今のウンコみたいな番組より

よっぽどおもしろいと思うんだけど。



◉エンヤトットR&B。

イタリアで知り合ったフランスマダムから

「この日本語、イタリア語に訳してみて」

と連絡がきたのがまさかのソーラン節。


しかもキャッチーにアレンジされた

The staple singers バージョン。

なんつう珍盤、どう訳せと。


これがまた耳に残るアレンジで

気づけば体が勝手にノリだすからいかんね。



2017/05/09

血。

親戚のおじさん、

わたしの母方祖母の弟が亡くなり

通夜祭へ行ってきた。

おじさん一家はみんな神道なので

神式の通夜祭は初めて。


祖母は認知症で寝たきりなので

自分の弟の葬儀に出られない。

かわりに祖母の真珠の首飾りを

わたしが身につけて参列した。

祖母が働いていた日本橋三越の、

色がキレイな真珠の首飾り。

お金のない時代でも、

ちゃんとしたものを身につけていたんだなあ。



亡くなったおじさんは、

山の手の人だったけど

下町の人のように気さくで、口が達者で、

とても気風の良い人だった。


わたしがハタチのときに

なんの連絡もなしに

突然我が家へやってきて

成人のお祝い金をポンと置いて、

嵐のように帰って行ってしまう、

なんとも小ざっぱりとした人だった。



おじさんに最後の別れを告げるべく、

親戚一同大集合。

ウチの祖母方の親戚はおしゃべりで

集まるとうるさい。

そしてあんまり人の話をきかない。

イタリア人かよ。


ミツコおばさん(祖母の兄の嫁84歳)

わたしと弾丸落語トーク。

亡きおじさんを差し置いて

同じタイミングで亡くなった

三遊亭円歌師匠の話で盛り上がる。

「円歌師匠の落語、亡くなる前に

もう一度聴きたかったわ~」とミツコさん。

わたしは弟子の歌之介の心中が心配だ。



みんながワイワイ談笑しているなか

亡くなったおじさんの息子のてっちゃんが

母との会話中に、泣いていた。



「生きている間にもっと

親孝行すればよかった。」



食事療法していたおじさんのために

てっちゃんがごはんを作っても

おじさんが勝手に好きな食べ物を

買ってきて食べてしまい、

そのことが原因でケンカもしたという。


誰かが亡くなってはじめて

知る感情って無数にある。

ああすればよかった、

もっとこうしてあげたかった、

後悔や、感謝、懺悔……

亡くなってからでは相手に伝わらない。

時間は問答無用で流れていくから

自分で受け入れるまで待つしかない。

やがて訪れる家族の死を

わたしもちゃんと迎えられるだろか。

親と落語聞いてゲラゲラ笑う日々は

永遠じゃないし。



印象的だったてっちゃんの涙。

わたしももらい泣きしそうになって

ワキにフッと目をやったら

横でものスゴイ立体的な前髪の

祖母の末っ子弟(お調子者)が

上機嫌にベラベラ喋っていて、

一瞬にして涙が引っ込みました。

ものすごいコントラスト。

なにこの感情の大洪水。



通夜祭、来てよかった。


相変わらずの祖母方親戚。

みんな歳は取ったけど、

気が強くて、弱くて、愉快で、口が達者で、

それぞれの人にちょっとずつ懐かしい、

かつてのおばあちゃんの面影が見えた。


わたしの居場所は東京だ。

親戚家族みんな笑えるほど東京の人だ。

この街はと言えば、人はやたら多いし、

空は狭いし、星すらほとんど見えないけれど、

わたしのふるさとは東京です。


***


おじさんが亡くなって

母が古い写真を2枚、

引っ張り出して来た。

昭和7年。

通夜祭に参列できなかった祖母が

3歳のころの家族写真。

曽祖母に抱かれている。


撮った場所が記してあって

そこが、まさかのいまの職場と同じ

目黒区の某町内で、戦慄。


もう一枚は祖父方の曽祖父24歳。

カンカン帽にメガネ、羽織に扇子。

若い月亭可朝かとおもいました。

大正元年を記念して撮ったらしい。

場所は亀戸。

写真館の名前が記してあった。

写真館、まだあるのだろうか。